Musik for…のはなし その3:その他参加していただいた皆さん。

10月 9th, 2011 by AKMT

前回の話はこちら。今回は音源提供以外で参加して頂いた皆さんのはなし。「はなし」が何でひらがなかって言うと、そりゃあなた、伊集院の影響ですよ。

まず、マスタリングをお願いしたのはLydia Gravの沖林さん。マスタリングっていうのは本当に難しくて、とても大事な工程。特にこういうコンピの場合は特に。個人的な話で恐縮ですが、何事もそうなんだけど、誰かに任せる事を決めたら口を出さないようにしている。だから信頼出来る人というか、コミュニケーションを取らなくてもお願いできるような方にしか頼まない。沖林さんとは多分、音楽的なバックボーンもそれほど遠くなく、ジャンルに関する説明もしなくていいから、コミュニケーションコストが少なくすむし、Lydia Gravの諸作での辣腕っぷりから、東京にいらした際にお願いした。マスタリングの効果は参加者にしか分からないけれど、わざわざここに書く必要もない、素晴らしい結果だった。ありがとうございました。

次はライナーを書いてくれたペソくんの話。この名前じゃないんだっけ。でもまぁペソ君に頼んだ経緯を。アンビエントというのは文章で語るのが野暮なジャンルと言うか、「考えるな、感じろ」みたいな風潮がある。僕も当初は、余計なインフォメーションは無しで匿名性が高い方がいいかなぁと思ってた。最初の段階では「誰がどの曲を作っているか」も書かない予定だった。ただそうなると、まぁ告知とかがやりにくいとか色々問題もありまして。で、最小限のクレジットは掲載しようと思い、デザインを考え始めた時になんとなく「ライナーを付けよう」と思った。何でかなぁ。あんまり覚えてないけど、同人系だとライナーとかあんまり無いからオモロイじゃんくらいの気持ちだったような。で、ペソ君しかいないと思った。沖林さんもそうなんだけど、もうそう思ってしまったので仕方ない。なんとなく、このコンピを企画し始めた当初、最初のうちに聞かせたいなぁと思ったのが彼だったような気がする。とにかく、ペソくんのライナーが読みたかったら、是非、CDを手に取って下さい。どうもありがとう。

さて、デザインまわり全部をお願いしたのはファスマさん。次回にデザイン関係のはなしを書こうと思ってるので細かくは書かないけど、ファスマさんの主宰のmono-oto関連のアートワーク全般を見て、これが本当に素晴らしくて、それでこの人に全部頼もうと思った。実際に話しをしていくと、いいデザイナーに共通する気遣いというか息遣いを感じる。単純なセンスだけじゃなくて、気遣い。そういう人には門外漢が口を挟む必要はない。良いものが出来るのは分かってるしね。何かなら何まで全部お願いしちゃったから、もしかしたらファスマさんは「ぶん投げすぎだよ」と思ったかもしれないけど、出来上がったものを見て頂ければ、僕が口を挟まない理由も分かって頂けるかと。ありがとうございました。

最後はくらげさん。ファスマさんからの提案で、今回のCDには1枚毎、すべてに違う写真が付きます。細かい話は次回するけど、その写真を提供してくれたのがくらげさん。「参加者それぞれのMusic for…」というコンセプトは、シチュエーションを指定しないから成り立つ。だからヴィジュアルはない方がいいと思っていた。一方で、手に取るCDのジャケットイメージは、DL販売が多い昨今ではより重要なのは言うまでもなく、同人で、製作枚数が少なくて、売上ノルマがないような状態なら、フットワーク軽く、色々やりたいわけですよ。いや、やらなきゃダメなんですよ。どの写真が付いてくるかは、買ってからのお楽しみ。

次回は多分、デザインの話。

Musik for…のはなし その2:メンバーの話。

10月 3rd, 2011 by AKMT

前回の話はこちら。今回はメンバーの話を曲順とあわせて。

1曲目はAero Finbackさん。以前から好きだった方だけど全く接点はなくて、手を上げてくれた方以外のメンバーを考えているときに最初に思い浮かんだ人。実は全体でも最初に音源を送ってくれた。ご自身のHPなどで視聴できる音源に共通するキラキラしたサウンド満載で、届いた音源を聴いた時に「そう、これが聞きたかった!」って感じだった。それと、コンピの1曲目というのは試聴とかでもとっても重要で、アンビエントはその点、試聴には向かないといっていい。ホワ〜ンって音が多いから。そんな中でこういうサウンドは絶対欲しかったから、1曲しか来てない状況だったけど、1曲目に決定してたっていう。

2曲目は僕。モチーフは結構前からあって、僕が以前に出した「verdure」「verb」につぐ「V作戦」もしくは「V系」の3作目です。メインでなってる音はギターで、リバーブかけまくったら陰も形もなくなった。こういう路線のやつはまた来年にやりたいなぁと思ってます。

3曲目はShin Sheenaさん。春のM3で出されていた作品がすごく好きで、あとアシッドコンピを凄く褒めてくれて、「次作があるなら参加したい」とまで言ってくれたので、普段はエレクトロニカ的なものを作っておられるのでアンビエントコンピに参加して頂くことに。想像どおりのサウンドで仕上げてくれました。フル版をDLできるので是非に!

4曲目はいつもお世話になっております、909stateさん。「日本のアシッドマイスター」909さんですが以前に出していたアンビエントのアルバムが素晴らしかったので、未聴の方はそちらも聞いてみると宜しいかと。今作もすばらしいドローンで、タイトルはハルヒファンにはたまらないアレですね。SEは聖地にて録音されたらしい!

5曲目、TREMORELAさん。アンビエントという言葉から想像されるアーティストは数多くいると思うけど、この曲から漂うのはthe Orb。時々刻々と移り変わるサウンドスケープは今作で最長の10分ありますが、まさに「DayTripper」な感じで 、時間の経過を忘れさせる素晴らしい作品。実はマスタリングをしてくれた沖林先生との因縁があるとかないとか、、、

6曲目、ファスマさん。mono-oto以来、お世話になりっぱなしでございます。実は最初、デザイン関係で参加していただこうと思っていて、その打診は早くからしていた。デザインの話は次回以降にするとして、せっかくなので音源もお願いしたら、これがもう、人柄がそのままにじみ出るような温かいサウンドで。こりゃモテる!モテビエントロニカですよ!

7曲目はRATTLEさん。大阪の某シンセショップの方です。サウンドクラウドに上がっていた諸作が素晴らしく、お願いして参加して頂くことに。今回のコンピで「アンビエントってどういうものですか?」と聞かれたら、僕はこの曲と答える。夕暮れ時が似合う曲。コンピ全体を時間経過で例えるなら、ここまでが夕方という感じ。

8曲目は、こちらもいつもお世話になっております、ザッソーさん。この曲はご本人のイメージとは違うかもしれないけど、この曲順にした時に、前曲から引き続いて夕方から夜への時間経過を感じさせるなぁと。物悲しい感じ。引き出しの多い方だと思っていたけど、この曲もこれまでの作品とは違う、ベテランの妙技。アンビエントというとシンセっぽいイメージの方が強いかもしれないけど、今作はこの曲も含めてギターを使ってるのが多い。

9曲目はSOLさん from カセットレコード。時間はさらに経過して、この曲は完全に夜。実は最後に音源をもらったので、この曲以外の大まかな曲順はすでに決まっていて、当初、ザッソーさんとつきしまくんの曲が連続していたんだけど、到着した音源を聞いて、凄くいい塩梅でこの位置に入ってくれた。コンピをやるとこういう「曲順マジック」が起きる。だから楽しい。

10曲目はAL-Kamerことつきしまくん。今回のメンバーで最年少。さらに唯一、作風を指定させてもらった。アンビエントというと「ドリーミー」とか「浮遊感」とかそういった言葉で語られる事がおおいけど、そうじゃない、もっとトゲがあるものあるわけで、彼にはそういう音を作って欲しいと依頼した。よい感じで暮れた夜の悪夢。オーダー通りの曲が上がってきてニンマリ。

さて次回はデザインとか、音源以外で携わってくれた方の話を。

be Invokedのはなし その2:Acid Geruge

10月 2nd, 2011 by AKMT

アシッドコンピ第2弾「be Invoked」の話&忘備録&宣伝、その2。今回はネットレーベル「Acid Geruge(以下ゲルゲ)」の話。

まずネットレーベルというものに関する個人的な見解。幸いにも僕は幾つかの作品をネットレーベルから出すことができまして、それで知って頂いた方も少なく無いと思います。僕自身、少なくともこの1年くらいは聞いている音楽の半分はネットレーベルからリリースされたものだったりします。「音楽が売れなくなった」と言われて久しいですが、僕も音楽にお金をかけてないんですなぁ。これは論点が違うか。でも、無料で良質な作品が手に入るのは大歓迎。一方で、ネットレーベルに属さなくても、いい作品を出してる人は当然いるわけで、その点では、単に枠組みの呼称でしかない。同人音楽サークルっていうのと、何ら変わりないわけです。だけど、レーベルカラーなんて言葉があるように、レーベルとしてカテゴライズされてることでリスナーのチョイスは楽に出来るので、そうなると人は選びやすい方を使うんでしょう。

カテゴライズという意味で、日本にはアシッドの専門ネットレーベルっていうのは無かった。もしあったら申し訳ない。で、多分、自分の作品の受け皿が欲しくて、他人行儀で「誰か作って下さい」ってtiwtterとかで言っていたら、カセットレコードの皆さんが頑張ってゲルゲが出来た。ゲルゲのブログでは僕がキッカケだと書いてあったけど、いやいや、そんな恐れ多い。自己中なだけです。兎に角、日本にアシッド専門のネットレーベルが出来た。実はアシッドコンピ第2弾を出そうと画策していた時と、ゲルゲの誕生はほぼ同じ時期で、その一報を聞いて、すぐに何かを一緒にやりたいと思った。実はそこに至る本質的な双方の思惑があるのだけど、それはここでは書かない。そんなことよりさ、コラボなんてオモロイじゃん!しかもアシッドだよ!

そんなこんなでゲルゲクルーと話をして、「be Invoked」は共同リリースという形になった。ゲルゲのカタログナンバー「303」が空いていたのはこの作品が入るからです。一番良い番号を空けておいてくれました。そしてCDとネットの双方で、違う音源をリリースします。ひゃー!

で、収録曲とかメンツの話は次回にでも。

 

be Invokedのはなし その1:そもそも。

9月 26th, 2011 by AKMT

お陰様で春に出しましたアシッドコンピ「TB OR NOT TB」は、予想以上に売れた。改めて、ありがとうございました。アシッドというのは地味なジャンルで、しかも機材にフォーカスしたものだったわけだけど、多くの方に手に取って頂いて、そして概ね好評だったようで、良かった良かった。

さて既報の通り、今回のM3でその続編というべき「be Invoked」を出します。コレに関して宣伝と忘備録を兼ねて、何回かに分けて書くので、よろしければお付き合い下さい。

「Musik for…」のところでも書いたけど、コンピの続編的なものの構想はかなり前からあった。初期の段階、、、まだ前作を作ってる時点では「ソフトシンセ編」の構想があった。その方が参加者が凄く増えそうな気もするけど、初期構想とずれるし、それは誰か他の人がやるだろうからこれはパス。

リミックス版の企画もあった。何人かの方にお伝えしたのは、大昔にフロッグマンから出ていた「バトルロイヤル ep」みたいに、参加者同士がリミックスするっていう企画。実は前作はザッソーさん&エビスさんはHIWIRE繋がりで、、、みたいに、参加者が何らかの繋がりがある感じだったので、タッグチームを組んでっていう風に構想してたんだけど、後で書くように、新しい人の参加を優先さたくて見送った。

それと、「全員同じフレーズで作る」企画。303は超独特なシーケンスが肝で、エミュレートしてるマシンや演奏者によって大きく変わってくるので、それを比較しようじゃないか!っていうマニアック企画。これはその「同じフレーズ」を誰が作るの?って言うことで流れた。

その企画の発展版が「303のフレーズカバー」企画。フレーズを考えるなら303を使ってる有名な曲から拝借しようぜ!っていう企画だったんだけど、これは経験者じゃないと分からないけど303のコピーって超大変。っていうかムリ。あとは著作権的な事も考慮しつつ。なのでこの企画もあっさり流れた。

結果的に非常にシンプルに、「第2作をやろう」と。短期間で第2弾は、、、と考えたけど、ココにはかけない事情もありまして。で、やるとなるとメンツを考えないといけないんだけど、前回と同じメンツでやることは考えてなかった。面白くないしね。コアで残る人はいても全部を同じにはしない。さらに新しい人を入れる。ハードウェア縛りは変えない。それと前回のような規模感、たとえば曲数、アーティスト数にはしないことも決めた。人数が多いと取りまとめが大変なので。

さてさて、新しく参加してくれた方とかの話は、次回以降に。

Musik for…のはなし その1:そもそも。

9月 26th, 2011 by AKMT

M3で発売するアンビエントコンピレーション「Musik for…」に関しての、自分のための忘備録も兼ねて何回に分けて書いていきます。宣伝込みでね。

春に「TB OR NOT TB(以下アシッドコンピ)」を出してから、頭の中でそれの「対」になる作品がやりたいと思ってた。それが単純な続編なのか、リミックス盤なのか、はたまたぜんぜん違うものなのか、個人でやるのか、またコンピでやるのか、自分でも考えていなかったけど。

アシッドコンピの続編を作ることはサクっと決まったので(このあたりの話はin voked編で書く)、今回は個人でビシッと作るかなぁと思っていたところ、なんとなく、本当になんとなくのキーワードとして「サマー・オブ・ラブ」っていうのが出てきた。夏だっていうのもあったと思うし、やけくそだったのもあると思うし、あとはなんとなく地震以降の面倒な何かに対する反動もあったかもしれないけど、とにかく、キーワードというか着想として「サマー・オブ・ラブ」という単語が出てきた。

個人的な見解だけど、アシッドというジャンルはレイブカルチャーをたぐり寄せ、レイブカルチャーに対する反動もしくは単に休息の意味でアンビエント/チルアウトというジャンルは確立されたと思っている。もちろん、ブライアン・イーノの諸作を含めて、アンビエントと定義されたものが先にあった事は知っているけれど、サマー・オブ・ラブという文化の一端としてのアンビエントは、こじつけであることは承知の上で、確かに存在すると思っている。

だから、アシッドコンピの対になるとすればアンビエントコンピだと思って、twitterで「やろう!」と書いたら、何人かの方が素早く賛同してくれて、あとは僕が聞きたいと思った人に声をかけた。対になる作品なのにアシッドコンピと同じメンバーにしなかったのは、特に理由はない。得意/不得意もあると思うし。

作ることはサクっと決まったけど、コンセプト的なものはあまり考えてなかった。そもそも、アンビエントというのは音楽としての説明が面倒(難しいとかじゃなく、面倒)で、例えば、近所の商店街の音を録音して「これが僕のアンビエントです」と言われても否定はできないジャンル。それに対してコンセプトをつけてしまうと、例えば「海」とかにしちゃうと、それこそみんな波の音になっちゃって、それはソレでいいんだけど、それは波コンピだし。

どんなときも、壁(まぁ低い壁なんだけど)にぶつかったら初心に帰るべきで、アンビエントにおけるそれは、やはりブライアン・イーノだと思って、「music for airport」をボーっと聴いてた。

「空港のための音楽」を聞いていて、頭の中で「◯◯のための音楽」を考えてて、「じゃあみんなが好きにソレを作ればいいや」ってことで、コンセプトはそのまま「Music for …」とした。「musik」にしたのはクラフトワークみたいだからということで、それ以上の理由はない。

さてさてどんな「Musik for…」が集まったのかは、次回のメンバー紹介編にて。